・肥満に伴う生活習慣病(高血圧、糖尿病など)やメタボリックシンドロームが心配なサラリーマン、主婦、学生さんなど、幅広い世代の人が来院されています。患者さんのほとんどが適切な運動療法、食事療法を行うことで、薬に頼らずに血圧や血糖コントロールを達成したいと真摯に希望されている方々です。当クリニック「生活習慣病・肥満外来」には、現在百名ほどの患者さんが平均月1-2回予約診療(平日および土曜日の午後、月1回の受診で3割負担で医療費は2,500円前後)で受診されています。診察予約は電話(03-3973-1155)にて随時受け付けています。
・予約診療の特徴としては、診察時カウンセリングを通じてあなたの生活習慣上の問題点、改善点を明らかにしてゆきます。そして3ヶ月毎に、体重や腹囲、体脂肪値、血液検査値と比較対照しながら、あなたの食習慣や運動習慣の定量評価を行います。テキストとして、食事バランスガイド、エクササイズガイドを用います。その結果は療養計画書としてあなたにお渡してフィードバックし、最終的には生活習慣の修正を通じて、あなた自身が生活習慣病とその増悪要因である肥満を自己管理できるようになることを目標とします。通院期間は半年から1年で、体重が適正化し検査数値が正常化した後は、3ヶ月から半年に1回定期検診を行い、体重増加などリバウンドに注意します。
【症例】
会社員Nさん(55歳男性)は高血圧で、他院で既に6年間降圧剤治療を受けていましたが、血圧が安定せず、ウェルネスササキクリニックを受診しました。来院時身長179cm、体重83kg、腹囲92cmと内臓脂肪型肥満があり、24時間血圧を測定すると早朝の血圧が高い特徴(早朝高血圧)がありました。食生活を調べると、脂肪の摂取比率が高く、週5回の飲酒によるカロリーも相当多いという結果が出ました。Nさんは元来アルコール好きでチーズや洋菓子が好きだったために、肥満と飲酒過多から血圧が不安定になっていたのです。一方で、Nさんは歩くことが好きで、週5日、一時間の散歩の習慣がありました。このような診察結果をもとに、脂肪燃焼効果を高めるため、エクササイズガイドを参考にしながら運動強度を6メッツに上げて、週5日の有酸素運動(スロージョギング、ノルディックウォーキング)を行うように指導しました。また飲酒回数は週3回に減らし、バランスのよい食事を続けた結果、一年後の体重は77kg、腹囲86cmになり、現在は降圧剤を減薬して、血圧も安定しています。
・パーソナル・ダイエットプログラムは重い合併症のない肥満症やメタボリックシンドロームの方を対象としています。これまでダイエットに何度か取り組みリバウンドを繰り返した人、日常運動習慣がほとんどない人、短期集中して食生活改善、運動不足解消に取り組みたい人のための、3ヶ月集中ダイエットプログラム(自費診療)です。クリニックでの診療と並行して行うトレーニングは、当クリニックで作成する運動処方箋に基づいて行うもので、当院提携ジム(エスフォルタ水道橋)または厚労省認定の指定運動療法施設の資格を有する運動施設で行っていただくことが条件です。このプログラムは自費診療を前提としていますが、高血圧や糖尿病などで治療中の方は、保険診療を継続しながら上記認定施設で運動プログラムを行うこともできます。
・当院のプログラムには、1.CTによる腹部内臓脂肪面積測定、2.肥満遺伝子、3.食習慣調査(食行動調査と食品摂取状況調査票による栄養調査)、4.ライフスタイル診断(日常生活の身体活動量評価)、5.一般検診(運動を安全に行うためのメディカルチェック)、6.運動処方箋の作成、が含まれます。クリニックでの費用(各種検査、検診料、およびカウンセリング料金)は下記ご確認ください。運動施設利用に関わる会費、パーソナルトレーニング費用は、別途お支払いいただく必要があります。
腹部内臓脂肪面積測定 5,400円、肥満遺伝子検査 7,050円(消費税別)、アルコール感受性遺伝子 5,570円(消費税別、飲酒者のみ)、運動遺伝子 7,000円(消費税別、希望者のみ)、腸内フローラ検査 18,000円(消費税別)、一般検診(胸部レントゲン1,570円、心電図1,300円、血液検査11,860円、検尿260円)、運動処方箋 3,000円(消費税別)、カウンセリング料金 10,000円(30分)
・3か月間にクリニックを平均月1−2回受診、院長との個別カウンセリングを受けていただきます。そこで肥満遺伝子、食習慣調査の結果をもとに、ダイエットに不可欠な一日の摂取カロリーを算出、あわせて肥満に関わる食行動の改善ポイントをお話します。さらにメディカルチェックとライフスタイル診断の結果をもとに、運動処方箋(あなたの病歴、体力、運動のリスクを考慮したトレーニング計画書)を作成します。毎月のクリニックのカウンセリングでは、体重の変化、食習慣の改善度、運動処方の安全性と履行度を細かくチェックしながら、追加の修正アドバイスを行います。
・クリニックでの診療と並行して、3カ月間、提携運動施設(ジム)で、運動処方に基づくパーソナルトレーニング(有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチ、自宅で可能なトレーニングのアドバイスを含む)を、原則週1回、合計10回行っていただき、持続可能なダイエットのための運動習慣を確立します。クリニックおよびジムでの緒費用は全額、医療費控除の対象となります。
【症例】
I さん(42歳男性)は不動産の営業職で、健診で内臓脂肪型肥満、高血圧、脂質異常症(メタボリックシンドローム)を指摘され、ウェルネスササキクリニックを受診しました。来院時、身長166cm、体重114kgで、パーソナルダイエットプログラムを希望されました。それまでまったく運動習慣がなかった I さんですが、運動処方(医師の診断に基づくトレーニング計画書)に基づき、早速ジムで週一回のパーソナルトレーニングを開始。さらに週三回の有酸素運動(荷重負荷のかからない水中歩行を中心に、エアロバイク、クロストレーナーを併用)を行いました。また食習慣調査の結果、I さんは肉食中心で、夜食や間食が多いなど食生活の問題点が浮き彫りとなりました。カウンセリング時のアドバイスに従い、I さんは可能なところから順次、食習慣の改善に着手、魚や野菜を多く摂るなどダイエットに欠かせない食生活を続けた結果、3ヶ月のプログラム終了後には体重が101kgに減少(3か月で-13kg)しました。その後、健康的な食習慣と運動習慣は定着し、6ヶ月後には体重が89kg(初診時より-25kg)となり、血圧は正常化、服薬もしていません。最近出張でフランスに1ヶ月近く滞在しましたが、生活環境の変化によって体重はリバウンドすることなく、帰国後も元気に仕事をされています。
・肥満治療に失敗した人の多くは、短期間に偏った食事内容と極端なカロリー制限による減量を行い、ダイエット終了後早期に体重がもとに戻ってしまったケースです。当クリニックで指導する食事療法は、適正なカロリー摂取はもちろんですが、栄養バランスと食習慣の改善を柱に、生涯に渡って継続し適正体重を自己管理できることを目標としています。ただ食事の改善と適度な運動を行っても、なお体重が落ちない人がいます。その場合太りやすい遺伝的体質が影響している可能性があるので、肥満遺伝子のチェックを行ったほうがよいでしょう。
【症例】
会社員のM さん(31歳女性)はこれまで数回ダイエット経験があり、そのつどリバウンドを繰り返し、肥満遺伝子の検査を希望してウェルネスササキクリニックを受診しました。初診時、身長160cm、体重79kg、腹囲95cm、糖尿病予備群で脂質代謝異常がありました。肥満遺伝子検査では、UCP1遺伝子が変異ホモ型で、安静時基礎代謝が低く、脂肪摂取過多により下半身に脂肪が付きやすい傾向がありました。食習慣を調べると、実際、総カロリーに占める糖質摂取量が少なく、脂肪摂取量がきわだって多いことが確認されました。早速、食事バランスガイドを用いて、主食は一日最低3サービング摂り、肉に偏っていた主菜を魚や大豆も摂るように変更しました。また毎日6,000歩以上歩くように指導したところ、4ヶ月後には体重72kg、腹囲93cmまで減量しました。来院前より総摂取カロリーはむしろ増えたのに、体重は減ってきたのです。栄養に偏りのないバランスのよい食事が、ダイエットになぜ大事かをM さんは理解されたようです。今後、日常の運動に筋力トレーニングを追加することによって、さらに基礎代謝をアップする予定です。